この記事では、SQLのFORMAT関数について、MySQL、Oracle、SQL Server、PostgreSQLなど主要データベースごとの構文と実装の違いを解説しています。数値のカンマ区切り、日付の表示形式変更、文字列の整形など、データを指定した形式に変換する具体的な方法とサンプルコードを通じて、各DBMSでのデータ整形の悩みを解決できます。
目次
SQLのFORMAT関数とは

SQLのFORMAT関数は、データベース内の数値、日付、時刻などのデータを、指定した形式に変換して見やすく整形するための関数です。生のデータをそのまま表示するのではなく、レポートやアプリケーションの画面表示に適した形式に変換することで、ユーザーにとって理解しやすいデータ表現を実現できます。
データベース管理システム(DBMS)において、FORMAT関数は主に以下のような用途で活用されています。まず、数値データに対しては桁区切りのカンマを追加したり、小数点以下の桁数を制御したりすることができます。例えば、売上金額の「1000000」を「1,000,000」という読みやすい形式に変換することが可能です。また、日付や時刻データについては、「2024-01-15」を「2024年1月15日」や「January 15, 2024」といった様々な表示形式に変換できます。
FORMAT関数の大きな特徴は、データベースサーバー側でデータの整形処理を行える点にあります。これにより、アプリケーション側での後処理を減らすことができ、開発の効率化とコードの簡潔化が図れます。特にレポート生成やダッシュボード表示など、データの可読性が重視される場面では非常に有用な機能と言えるでしょう。
ただし、FORMAT関数の構文や機能はデータベース製品によって異なるという点に注意が必要です。SQL ServerとMySQLでは同じ「FORMAT」という名前でも動作や引数が大きく異なりますし、PostgreSQLやOracleでは別の関数名や異なるアプローチでデータ整形を行います。そのため、使用しているデータベースシステムに応じて適切な構文を理解し、正しく活用することが重要になります。
FORMAT関数を使いこなすことで、SQLクエリの結果をより直感的で分かりやすい形式で取得できるようになり、データ分析やビジネスインテリジェンスの現場において大きな効果を発揮します。データの可視化を重視する現代のデータ駆動型ビジネスにおいて、FORMAT関数はデータベースエンジニアやアナリストにとって必須のスキルの一つとなっています。
主要データベースにおけるFORMAT関数の構文

SQLのFORMAT関数は、データベース管理システム(DBMS)ごとに異なる構文と機能を持っています。同じ「FORMAT」という名称でも、SQL Server、MySQL、PostgreSQL、Oracleでは使用方法や目的が大きく異なるため、各データベースの特性を正しく理解することが重要です。ここでは、主要なデータベースシステムにおけるFORMAT関数の構文と仕様について詳しく解説します。
SQL ServerのFORMAT関数
SQL ServerのFORMAT関数は、数値や日付データを指定した書式に変換して文字列として返す強力な関数です。.NET Frameworkの書式設定機能を利用しているため、柔軟な書式指定が可能となっています。
基本的な構文
SQL ServerにおけるFORMAT関数の基本的な構文は以下の通りです。
FORMAT ( value, format [, culture ] )この関数は最大3つの引数を取り、データ型や表示形式を柔軟に制御できます。シンプルな構文ながら、.NETの書式指定文字列を活用することで、複雑な書式設定にも対応できる点が特徴です。実際のクエリでは次のように使用します。
SELECT FORMAT(12345.67, 'N2', 'ja-JP') AS FormattedNumber;
SELECT FORMAT(GETDATE(), 'yyyy年MM月dd日', 'ja-JP') AS FormattedDate;このように、数値や日付を人間が読みやすい形式に簡単に変換することができます。
引数の説明
FORMAT関数の各引数には明確な役割があり、それぞれを適切に理解することで効果的にデータを整形できます。
- value(第1引数):フォーマット対象となる値を指定します。数値型、日付型(DATE、DATETIME、DATETIME2など)、時刻型のデータを受け付けます。NULL値が渡された場合は、NULLが返されます。
- format(第2引数):出力形式を定義する書式指定文字列です。.NETの標準書式指定文字列やカスタム書式指定文字列を使用できます。例えば、’N’は数値、’D’は日付、’C’は通貨形式を表します。
- culture(第3引数・省略可):ロケール(言語と地域の設定)を指定します。’en-US’(米国英語)、’ja-JP’(日本語)、’de-DE’(ドイツ語)などの文化圏コードを指定することで、その地域に適した書式で出力されます。省略した場合は、現在のセッションの言語設定が使用されます。
culture引数を活用することで、同じデータでも地域に応じた表記に自動変換できるため、多言語対応のアプリケーション開発において非常に有用です。
戻り値の型
SQL ServerのFORMAT関数の戻り値は、常にNVARCHAR型またはNULLとなります。これは、どのようなデータ型を入力しても、出力は必ず文字列として返されることを意味します。
具体的には、戻り値のデータ型はNVARCHARまたはNULLであり、最大長は入力値と書式指定によって決まります。数値や日付をフォーマットした結果は文字列として扱われるため、その後の演算処理では注意が必要です。
FORMAT関数の戻り値は文字列型であるため、フォーマット後の値を数値計算に使用する場合は、CASTやCONVERT関数で適切なデータ型に再変換する必要があります。また、入力値がNULLの場合は、関数の結果もNULLとなります。
-- 戻り値の型の例
SELECT
FORMAT(123456, 'N0') AS NumericString, -- '123,456' (NVARCHAR)
FORMAT(NULL, 'N0') AS NullResult; -- NULLMySQLのFORMAT関数
MySQLのFORMAT関数は、SQL Serverとは異なり、主に数値データの書式設定に特化した関数です。小数点以下の桁数を指定し、桁区切り記号を自動的に挿入する機能を提供します。
基本的な構文は以下の通りです。
FORMAT(N, D [, locale])- N:フォーマットする数値を指定します
- D:小数点以下の桁数を指定します(0以上の整数)
- locale:ロケールを指定します(省略可、MySQL 8.0以降で使用可能)
MySQLのFORMAT関数は数値を文字列に変換し、3桁ごとにカンマ区切りを挿入します。例えば以下のように使用します。
SELECT FORMAT(123456.789, 2); -- 結果: '123,456.79'
SELECT FORMAT(9876543210, 0); -- 結果: '9,876,543,210'MySQLでは日付のフォーマットにはFORMAT関数ではなく、DATE_FORMAT関数を使用する点がSQL Serverとの大きな違いです。
SELECT DATE_FORMAT(NOW(), '%Y年%m月%d日'); -- 日付フォーマットの例MySQLのFORMAT関数は数値専用であり、日付や時刻のフォーマットには使用できません。用途に応じて適切な関数を選択する必要があります。
PostgreSQLのFORMAT関数
PostgreSQLのFORMAT関数は、他のデータベースとは異なるアプローチを取っており、文字列の構築とプレースホルダーの置換を主な目的としています。C言語のsprintf関数に似た動作をする点が特徴です。
基本的な構文は以下の通りです。
FORMAT(formatstr, val1 [, val2, ...])- formatstr:書式指定文字列(プレースホルダーを含む)
- val1, val2, …:プレースホルダーに挿入する値
PostgreSQLのFORMAT関数では、プレースホルダーとして以下の記法を使用します。
| プレースホルダー | 説明 |
|---|---|
| %s | 値を文字列として挿入 |
| %I | SQLの識別子として挿入(テーブル名やカラム名など) |
| %L | SQLのリテラルとして挿入(適切にエスケープ) |
実際の使用例は以下の通りです。
SELECT FORMAT('こんにちは、%sさん', 'SQLユーザー');
-- 結果: 'こんにちは、SQLユーザーさん'
SELECT FORMAT('INSERT INTO %I VALUES(%L)', 'users', 'John');
-- 結果: "INSERT INTO users VALUES('John')"PostgreSQLで数値や日付をフォーマットする場合は、FORMAT関数ではなくTO_CHAR関数を使用します。
SELECT TO_CHAR(12345.67, '999,999.99'); -- 数値フォーマット
SELECT TO_CHAR(NOW(), 'YYYY-MM-DD HH24:MI:SS'); -- 日付フォーマットPostgreSQLのFORMAT関数は動的SQLの構築やログメッセージの生成に適しており、SQLインジェクション対策としても有効です。
OracleのFORMAT関数
Oracle Databaseには、他のデータベースシステムのようなFORMAT関数は標準では存在しません。その代わりに、Oracleでは用途に応じて異なる関数を使用してデータの書式設定を行います。
Oracleにおける主な書式設定関数は以下の通りです。
- TO_CHAR関数:数値や日付を文字列に変換し、書式を指定できます
- TO_NUMBER関数:文字列を数値に変換します
- TO_DATE関数:文字列を日付型に変換します
TO_CHAR関数の構文は以下の通りです。
TO_CHAR(value [, format_mask] [, nls_parameter])数値のフォーマット例:
SELECT TO_CHAR(12345.67, '99,999.99') FROM DUAL;
-- 結果: '12,345.67'
SELECT TO_CHAR(1234567890, 'FM999,999,999,999') FROM DUAL;
-- 結果: '1,234,567,890'日付のフォーマット例:
SELECT TO_CHAR(SYSDATE, 'YYYY-MM-DD HH24:MI:SS') FROM DUAL;
-- 結果: '2024-03-15 14:30:45'
SELECT TO_CHAR(SYSDATE, 'YYYY"年"MM"月"DD"日"') FROM DUAL;
-- 結果: '2024年03月15日'OracleのTO_CHAR関数は非常に強力で、豊富な書式マスクオプションを提供しており、複雑な書式設定にも柔軟に対応できます。書式マスクには、数値用(9、0、,、.など)や日付用(YYYY、MM、DD、HH24など)の多様な要素があります。
また、Oracle 12c以降では、LISTAGG関数やJSONフォーマット関数など、データ整形のための高度な機能が追加されていますが、基本的なデータフォーマットにはTO_CHAR関数が最も広く使用されています。
Oracleを使用する場合は、FORMAT関数という名称の関数を探すのではなく、TO_CHAR関数を中心とした変換関数群を活用することが重要です。
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数値データのフォーマット方法

SQLで数値データを扱う際、データベースに格納されている生の数値をそのまま表示するだけでは、ユーザーにとって読みにくく理解しづらいことがあります。FORMAT関数を使用することで、数値を視覚的にわかりやすい形式に変換し、レポートやアプリケーション画面での表示品質を向上させることができます。ここでは、数値データをフォーマットする具体的な方法について解説します。
基本的な数値のフォーマット
整数や基本的な数値のフォーマットは、数値データを扱う上での基礎となります。FORMAT関数を使えば、数値に特定の桁数を指定したり、ゼロ埋めを行ったりすることが可能です。
SQL Serverでは、数値の書式指定に「N」や「D」といった標準書式文字列を使用します。例えば、整数を3桁のゼロ埋め形式で表示したい場合は次のように記述します。
SELECT FORMAT(123, 'D5') AS FormattedNumber;
-- 結果: 00123また、「N」を使用すると数値を一般的な数値形式で表示できます。
SELECT FORMAT(1234567, 'N0') AS FormattedNumber;
-- 結果: 1,234,567MySQLの場合は、FORMAT関数の構文が異なり、第2引数に小数点以下の桁数を指定します。
SELECT FORMAT(1234567, 0) AS FormattedNumber;
-- 結果: 1,234,567小数点を含む数値のフォーマット
金額計算や測定値など、小数点以下の桁数を制御する必要がある場面は多く存在します。FORMAT関数を活用することで、小数点以下の表示桁数を正確にコントロールし、四捨五入や切り捨ての処理も同時に実現できます。
SQL Serverで小数点以下2桁まで表示する場合は、次のように記述します。
SELECT FORMAT(1234.56789, 'N2') AS FormattedDecimal;
-- 結果: 1,234.57
SELECT FORMAT(0.75, 'P0') AS FormattedPercent;
-- 結果: 75%「P」は百分率(パーセント)形式を指定する書式文字列で、数値に100を乗じてパーセント記号を付加します。
MySQLでは第2引数で小数点以下の桁数を直接指定します。
SELECT FORMAT(1234.56789, 2) AS FormattedDecimal;
-- 結果: 1,234.57
SELECT FORMAT(0.123456, 4) AS FormattedDecimal;
-- 結果: 0.1235カスタム書式指定文字列を使用すると、より細かい制御も可能です。
SELECT FORMAT(1234.5, '0000.00') AS CustomFormat;
-- 結果: 1234.50桁区切り記号を使った大きい数値の表示
大きな数値を扱う場合、桁区切り記号(カンマ)を使用することで、数値の可読性が大幅に向上します。財務レポートや統計データの表示では、この桁区切りは必須の要素となります。FORMAT関数を使えば、自動的に3桁ごとのカンマ区切りを適用できます。
SQL Serverでは「N」書式指定子を使うことで、自動的に桁区切り記号が挿入されます。
SELECT FORMAT(123456789, 'N0') AS LargeNumber;
-- 結果: 123,456,789
SELECT FORMAT(123456789.123, 'N2') AS LargeDecimal;
-- 結果: 123,456,789.12カルチャ設定を指定することで、地域に応じた桁区切り記号や小数点記号を使用することもできます。
SELECT FORMAT(123456789, 'N2', 'en-US') AS USFormat;
-- 結果: 123,456,789.00
SELECT FORMAT(123456789, 'N2', 'de-DE') AS GermanFormat;
-- 結果: 123.456.789,00MySQLでは、FORMAT関数がデフォルトで桁区切り記号を付加します。
SELECT FORMAT(987654321, 0) AS LargeNumber;
-- 結果: 987,654,321
SELECT FORMAT(987654321.456, 3) AS LargeDecimal;
-- 結果: 987,654,321.456以下の表は、主要データベースでの数値フォーマットの比較です。
| データベース | 構文 | 桁区切り | 小数点制御 |
|---|---|---|---|
| SQL Server | FORMAT(value, format, culture) | N書式で自動 | N2、P0など |
| MySQL | FORMAT(value, decimals) | 自動付加 | 第2引数で指定 |
| PostgreSQL | TO_CHAR(value, format) | 書式文字列で指定 | 書式文字列で指定 |
注意点として、FORMAT関数は文字列型を返すため、計算処理には使用できません。表示用の最終段階でフォーマットを適用することが推奨されます。
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日付・時刻データのフォーマット方法

データベース内の日付や時刻データは、システム内部では特定の形式で保存されていますが、ユーザーに表示する際には読みやすい形式に変換する必要があります。SQLのFORMAT関数を使用することで、日付・時刻データを様々な形式に柔軟に変換できます。ここでは、日付、日時、時刻それぞれのデータ型に対する効果的なフォーマット方法を詳しく解説します。
日付のフォーマット指定
日付データのフォーマットは、ビジネスシーンやレポート作成において最も頻繁に使用される処理の一つです。FORMAT関数を使用することで、標準的な日付形式から独自の表示形式まで、幅広い対応が可能になります。
SQL Serverにおける基本的な日付フォーマットの例を以下に示します。
-- 年月日を「/」区切りで表示
SELECT FORMAT(GETDATE(), 'yyyy/MM/dd') AS 日付;
-- 結果例: 2024/03/15
-- 年月日を「-」区切りで表示
SELECT FORMAT(GETDATE(), 'yyyy-MM-dd') AS 日付;
-- 結果例: 2024-03-15
-- 和暦風の表示
SELECT FORMAT(GETDATE(), 'yyyy年MM月dd日') AS 日付;
-- 結果例: 2024年03月15日日付フォーマットで使用できる主な書式指定文字列は以下の通りです。
| 書式指定子 | 説明 | 例 |
|---|---|---|
| yyyy | 4桁の年 | 2024 |
| yy | 2桁の年 | 24 |
| MM | 2桁の月(01-12) | 03 |
| M | 月(1-12) | 3 |
| dd | 2桁の日(01-31) | 15 |
| d | 日(1-31) | 15 |
| ddd | 曜日の省略形 | 金 |
| dddd | 曜日のフル表記 | 金曜日 |
実務では、特にレポート出力やユーザー向けの画面表示において、日付フォーマットの統一が重要です。システム全体で一貫した日付表記を使用することで、データの可読性と信頼性が向上します。
-- 曜日を含む日付表示
SELECT FORMAT(OrderDate, 'yyyy年MM月dd日(ddd)') AS 注文日
FROM Orders;
-- 結果例: 2024年03月15日(金)日時のフォーマット指定
日付と時刻を組み合わせた日時データのフォーマットは、タイムスタンプやログデータの表示において不可欠です。FORMAT関数を使用することで、日付部分と時刻部分を同時に指定した形式で出力できます。
日時データの基本的なフォーマット例を以下に示します。
-- 標準的な日時表示
SELECT FORMAT(GETDATE(), 'yyyy/MM/dd HH:mm:ss') AS 日時;
-- 結果例: 2024/03/15 14:30:45
-- 12時間形式での表示
SELECT FORMAT(GETDATE(), 'yyyy/MM/dd hh:mm:ss tt') AS 日時;
-- 結果例: 2024/03/15 02:30:45 PM
-- より詳細な日時表示
SELECT FORMAT(GETDATE(), 'yyyy年MM月dd日 HH時mm分ss秒') AS 日時;
-- 結果例: 2024年03月15日 14時30分45秒時刻部分のフォーマットで使用できる主な書式指定文字列は以下の通りです。
| 書式指定子 | 説明 | 例 |
|---|---|---|
| HH | 24時間形式の時(00-23) | 14 |
| hh | 12時間形式の時(01-12) | 02 |
| mm | 分(00-59) | 30 |
| ss | 秒(00-59) | 45 |
| fff | ミリ秒 | 123 |
| tt | AM/PM表記 | PM |
実際の業務では、ログテーブルや履歴テーブルから日時データを取得する際に、フォーマットを適用することが多くあります。
-- アクセスログの日時を読みやすく表示
SELECT
UserID,
FORMAT(AccessDateTime, 'yyyy/MM/dd HH:mm') AS アクセス日時,
PageName
FROM AccessLog
WHERE AccessDateTime >= '2024-03-01'
ORDER BY AccessDateTime DESC;
-- ミリ秒まで含めた詳細なタイムスタンプ
SELECT FORMAT(SYSDATETIME(), 'yyyy-MM-dd HH:mm:ss.fff') AS タイムスタンプ;
-- 結果例: 2024-03-15 14:30:45.123日時データのフォーマットでは、用途に応じて必要な精度を選択することが重要です。一般的なユーザー向け表示では分単位まで、システムログやトランザクション記録では秒やミリ秒単位までの精度が求められます。
時刻データ型の活用
時刻のみを扱うデータ型は、営業時間や勤怠管理、スケジュール管理など、日付に依存しない時間情報を扱う場面で活用されます。FORMAT関数を使用することで、時刻データを様々な形式で表示できます。
時刻データの基本的なフォーマット例を以下に示します。
-- 24時間形式での時刻表示
SELECT FORMAT(CAST('14:30:00' AS TIME), 'HH:mm') AS 時刻;
-- 結果例: 14:30
-- 12時間形式での時刻表示
SELECT FORMAT(CAST('14:30:00' AS TIME), 'hh:mm tt') AS 時刻;
-- 結果例: 02:30 PM
-- 秒を含む詳細な時刻表示
SELECT FORMAT(CAST('14:30:45' AS TIME), 'HH時mm分ss秒') AS 時刻;
-- 結果例: 14時30分45秒業務システムにおける時刻データの実践的な使用例を示します。
-- 営業時間の管理
SELECT
StoreName,
FORMAT(OpenTime, 'HH:mm') AS 開店時刻,
FORMAT(CloseTime, 'HH:mm') AS 閉店時刻
FROM StoreInfo;
-- 勤怠管理での時刻表示
SELECT
EmployeeID,
WorkDate,
FORMAT(CheckInTime, 'HH:mm') AS 出勤時刻,
FORMAT(CheckOutTime, 'HH:mm') AS 退勤時刻
FROM Attendance
WHERE WorkDate = '2024-03-15';時刻データを扱う際には、タイムゾーンやサマータイムの考慮が必要な場合もあります。以下のような活用方法があります。
- 営業時間の表示:店舗やサービスの営業時間を時刻データとして管理し、見やすい形式で表示
- 勤怠管理:従業員の出退勤時刻を記録し、レポート出力時に統一された形式で表示
- 予約システム:予約可能な時間帯を時刻データで管理し、ユーザーに分かりやすく提示
- スケジュール管理:会議や作業の開始時刻と終了時刻を明確に表示
-- 時刻の範囲検索と表示
SELECT
MeetingName,
FORMAT(StartTime, 'HH:mm') + ' - ' + FORMAT(EndTime, 'HH:mm') AS 時間帯
FROM Meetings
WHERE StartTime >= '09:00:00'
AND EndTime = '18:00:00'
ORDER BY StartTime;
-- 結果例: 09:00 - 10:30時刻データのフォーマットを行う際は、データ型がTIME型であることを確認してください。DATETIME型やDATETIME2型から時刻部分のみを抽出する場合は、CAST関数やCONVERT関数を併用する必要があります。
-- DATETIME型から時刻部分のみをフォーマット
SELECT FORMAT(CAST(OrderDateTime AS TIME), 'HH:mm') AS 注文時刻
FROM Orders;文字列データのフォーマット方法

SQLでは数値や日付だけでなく、文字列データに対しても様々なフォーマット処理が可能です。文字列の整形は、データベースから取得したデータを画面表示用に加工したり、データクレンジングを行ったりする際に頻繁に使用されます。ここでは、文字列データを効果的に整形するための主要な関数とテクニックについて詳しく解説していきます。
空白の削除処理
データベースに格納された文字列には、意図しない空白文字が含まれていることがよくあります。これらの余分な空白を削除することで、データの品質を向上させることができます。SQLには空白を削除するための専用関数が用意されています。
TRIM関数は文字列の前後にある空白を削除する最も基本的な関数です。基本的な構文は以下の通りです。
SELECT TRIM(' Hello World ') AS trimmed_text;
-- 結果: 'Hello World'さらに細かい制御が必要な場合には、以下の関数を使い分けることができます。
- LTRIM関数:文字列の左側(先頭)の空白のみを削除
- RTRIM関数:文字列の右側(末尾)の空白のみを削除
- TRIM関数:両端の空白を削除
SELECT
LTRIM(' Hello World ') AS left_trimmed,
RTRIM(' Hello World ') AS right_trimmed,
TRIM(' Hello World ') AS both_trimmed;
-- 結果:
-- left_trimmed: 'Hello World '
-- right_trimmed: ' Hello World'
-- both_trimmed: 'Hello World'SQL Serverなどでは、TRIM関数で特定の文字を削除することも可能です。
SELECT TRIM(',' FROM ',,,Apple,Orange,,,') AS result;
-- 結果: 'Apple,Orange'大文字・小文字の変換
文字列の大文字・小文字を統一することは、データの検索や比較を行う際に非常に重要です。SQLでは簡単に大文字・小文字の変換を行うことができます。
UPPER関数とLOWER関数を使用することで、文字列の大文字・小文字を自在に変換できます。これらの関数は、データベースの種類を問わずほぼすべてのSQLで使用可能です。
SELECT
UPPER('Hello World') AS uppercase,
LOWER('Hello World') AS lowercase;
-- 結果:
-- uppercase: 'HELLO WORLD'
-- lowercase: 'hello world'実務では、ユーザーが入力したデータを大文字に統一してから検索するケースがよくあります。
SELECT * FROM users
WHERE UPPER(email) = UPPER('user@example.com');また、データベースによっては先頭文字のみを大文字にするINITCAP関数(Oracleなど)も利用できます。
SELECT INITCAP('hello world') AS title_case;
-- 結果: 'Hello World'文字の埋め込み処理
文字列を特定の長さに揃えるために、文字を埋め込む処理は帳票出力やデータ整形で頻繁に使用されます。SQLではLPAD関数とRPAD関数を使用して、文字列を指定した長さになるまで特定の文字で埋めることができます。
LPAD関数は文字列の左側に文字を埋め込み、RPAD関数は右側に埋め込みます。構文は以下の通りです。
LPAD(文字列, 長さ, 埋め込み文字)
RPAD(文字列, 長さ, 埋め込み文字)具体的な使用例を見てみましょう。
SELECT
LPAD('123', 5, '0') AS left_padded,
RPAD('123', 5, '0') AS right_padded;
-- 結果:
-- left_padded: '00123'
-- right_padded: '12300'この機能は、IDや伝票番号などを固定長の文字列にフォーマットする際に特に有効です。
SELECT
LPAD(CAST(order_id AS VARCHAR), 8, '0') AS formatted_order_id
FROM orders;
-- order_idが123の場合、結果: '00000123'空白で埋める場合は、第3引数に半角スペースを指定します。これは、固定長のテキストファイルを生成する際に役立ちます。
SELECT RPAD(product_name, 20, ' ') AS padded_name
FROM products;文字列の切り出し
文字列の一部を抽出する操作は、データ加工において非常に重要です。SQLでは複数の関数を使用して、様々な方法で文字列を切り出すことができます。
最も基本的な関数はSUBSTRING関数です。指定した位置から指定した長さの文字列を抽出します。
SUBSTRING(文字列, 開始位置, 長さ)実際の使用例は以下の通りです。
SELECT
SUBSTRING('Hello World', 1, 5) AS first_five,
SUBSTRING('Hello World', 7, 5) AS last_five;
-- 結果:
-- first_five: 'Hello'
-- last_five: 'World'データベースによって文字列の開始位置が0から始まる場合と1から始まる場合があるため注意が必要です。SQL Serverでは1から、一部のプログラミング言語では0から始まります。
左端や右端から文字を取得する場合は、LEFT関数とRIGHT関数が便利です。
SELECT
LEFT('Hello World', 5) AS left_part,
RIGHT('Hello World', 5) AS right_part;
-- 結果:
-- left_part: 'Hello'
-- right_part: 'World'日付文字列から年月日を抽出する実践的な例を見てみましょう。
SELECT
SUBSTRING(order_date, 1, 4) AS year,
SUBSTRING(order_date, 6, 2) AS month,
SUBSTRING(order_date, 9, 2) AS day
FROM orders
WHERE order_date_str = '2024-03-15';文字列の連結
複数の文字列を結合して1つの文字列にする処理は、レポート作成やデータ表示において欠かせない機能です。SQLでは複数の方法で文字列を連結することができます。
最も標準的な方法はCONCAT関数を使用する方法です。CONCAT関数は複数の引数を受け取り、それらをすべて連結した文字列を返します。
SELECT CONCAT('Hello', ' ', 'World') AS combined;
-- 結果: 'Hello World'複数のカラムを連結して氏名を作成する例です。
SELECT
CONCAT(last_name, ' ', first_name) AS full_name
FROM employees;データベースによっては、連結演算子を使用することもできます。
| データベース | 連結演算子 | 例 |
|---|---|---|
| SQL Server | + | ‘Hello’ + ‘ ‘ + ‘World’ |
| PostgreSQL, Oracle | || | ‘Hello’ || ‘ ‘ || ‘World’ |
| MySQL | CONCAT関数推奨 | CONCAT(‘Hello’, ‘ ‘, ‘World’) |
-- PostgreSQLの例
SELECT last_name || ' ' || first_name AS full_name
FROM employees;
-- SQL Serverの例
SELECT last_name + ' ' + first_name AS full_name
FROM employees;NULL値を含む可能性がある場合は、CONCAT_WS関数(区切り文字付き連結)が便利です。この関数はNULL値を無視して連結します。
SELECT CONCAT_WS('-', '2024', '03', '15') AS formatted_date;
-- 結果: '2024-03-15'
SELECT CONCAT_WS(' ', first_name, middle_name, last_name) AS full_name
FROM employees;
-- middle_nameがNULLでも正しく連結される複雑なフォーマットが必要な場合は、複数の関数を組み合わせることで柔軟な文字列整形が可能です。
SELECT
CONCAT(
'【',
category_name,
'】',
product_name,
' (',
FORMAT(price, 'N0'),
'円)'
) AS formatted_product
FROM products;カスタム書式指定文字列の活用

SQL ServerのFORMAT関数では、カスタム書式指定文字列を使用することで、データの表示形式を細かく制御できます。この機能を活用することで、業務要件に応じた柔軟なデータ整形が可能になります。ここでは、カスタム書式指定文字列の基本的な使い方から、カルチャ設定による国際化対応まで、実践的な活用方法を解説します。
書式指定文字列の基本
カスタム書式指定文字列は、データの表示形式を詳細に定義するための特殊な文字列パターンです。SQL ServerのFORMAT関数では、.NET Frameworkの書式指定文字列をそのまま利用できるため、豊富な表現が可能です。
数値データに対する基本的な書式指定文字列には、以下のようなものがあります。
- 0(ゼロプレースホルダー):数値の桁を表し、値がない場合は0を表示
- #(数字プレースホルダー):数値の桁を表し、値がない場合は何も表示しない
- .(小数点):小数点の位置を指定
- ,(桁区切り記号):千の位の区切りを指定
- %(パーセント記号):数値を100倍してパーセント表示
具体的な使用例を見てみましょう。
-- 数値を固定桁数で表示(前ゼロ埋め)
SELECT FORMAT(123, '00000') AS 結果;
-- 結果: 00123
-- 桁区切り記号付きで表示
SELECT FORMAT(1234567.89, '#,##0.00') AS 結果;
-- 結果: 1,234,567.89
-- 小数点以下を省略
SELECT FORMAT(1234.5678, '#,##0') AS 結果;
-- 結果: 1,235(四捨五入される)
-- パーセント表示
SELECT FORMAT(0.875, '0.00%') AS 結果;
-- 結果: 87.50%
日付データに対する書式指定文字列も非常に柔軟です。以下が主な指定子です。
| 書式指定子 | 説明 | 例 |
|---|---|---|
| yyyy | 4桁の年 | 2024 |
| yy | 2桁の年 | 24 |
| MM | 2桁の月(01~12) | 03 |
| M | 1桁または2桁の月(1~12) | 3 |
| dd | 2桁の日(01~31) | 05 |
| d | 1桁または2桁の日(1~31) | 5 |
| HH | 2桁の時(00~23) | 14 |
| mm | 2桁の分(00~59) | 30 |
| ss | 2桁の秒(00~59) | 45 |
-- 日付を様々な形式で表示
SELECT FORMAT(GETDATE(), 'yyyy/MM/dd') AS 日付1,
FORMAT(GETDATE(), 'yyyy年MM月dd日') AS 日付2,
FORMAT(GETDATE(), 'yyyy-MM-dd HH:mm:ss') AS 日時,
FORMAT(GETDATE(), 'MM/dd (ddd)') AS 日付3;
-- カスタム形式で曜日付き日付を表示
SELECT FORMAT(GETDATE(), 'yyyy年M月d日 HH時mm分') AS カスタム日時;
書式指定文字列では大文字と小文字が区別されるため、注意が必要です。たとえば「MM」は月を表しますが、「mm」は分を表します。誤った指定をすると意図しない結果になる可能性があります。
カルチャ設定による表示の変更
FORMAT関数の第3引数にカルチャ設定を指定することで、地域や言語に応じた表示形式に自動的に変換できます。グローバルなシステム開発において、カルチャ設定は非常に重要な機能です。同じデータでも、国や地域によって日付や数値の表示形式が異なるためです。
カルチャ設定は「言語コード-国コード」の形式で指定します。主なカルチャコードには以下のようなものがあります。
- ja-JP:日本語(日本)
- en-US:英語(アメリカ)
- en-GB:英語(イギリス)
- de-DE:ドイツ語(ドイツ)
- fr-FR:フランス語(フランス)
- zh-CN:中国語(中国)
数値の表示におけるカルチャ設定の違いを見てみましょう。
DECLARE @金額 DECIMAL(10,2) = 1234567.89;
-- 日本形式
SELECT FORMAT(@金額, 'C', 'ja-JP') AS 日本円;
-- 結果: ¥1,234,568
-- アメリカ形式
SELECT FORMAT(@金額, 'C', 'en-US') AS 米ドル;
-- 結果: $1,234,567.89
-- ドイツ形式(小数点と桁区切りが逆)
SELECT FORMAT(@金額, 'C', 'de-DE') AS ユーロ;
-- 結果: 1.234.567,89 €
-- イギリス形式
SELECT FORMAT(@金額, 'C', 'en-GB') AS ポンド;
-- 結果: £1,234,567.89
日付の表示形式もカルチャ設定によって大きく変わります。
DECLARE @日付 DATETIME = '2024-03-15 14:30:00';
-- 日本形式
SELECT FORMAT(@日付, 'D', 'ja-JP') AS 日本語長い形式;
-- 結果: 2024年3月15日
-- アメリカ形式
SELECT FORMAT(@日付, 'D', 'en-US') AS 英語長い形式;
-- 結果: Friday, March 15, 2024
-- ドイツ形式
SELECT FORMAT(@日付, 'D', 'de-DE') AS ドイツ語長い形式;
-- 結果: Freitag, 15. März 2024
-- 短い形式での比較
SELECT FORMAT(@日付, 'd', 'ja-JP') AS 日本,
FORMAT(@日付, 'd', 'en-US') AS アメリカ,
FORMAT(@日付, 'd', 'en-GB') AS イギリス;
-- 結果: 2024/03/15 | 3/15/2024 | 15/03/2024
標準書式指定子とカルチャ設定を組み合わせることで、より柔軟な表示が可能です。主な標準書式指定子には以下があります。
| 指定子 | 名称 | 用途 |
|---|---|---|
| C | 通貨 | 通貨記号付きの金額表示 |
| D | 長い日付 | 完全な日付表示 |
| d | 短い日付 | 簡潔な日付表示 |
| F | 完全な日時 | 日付と時刻の完全な表示 |
| N | 数値 | 桁区切り付き数値 |
| P | パーセント | パーセント表示 |
-- パーセント表示のカルチャ違い
SELECT FORMAT(0.1234, 'P', 'ja-JP') AS 日本,
FORMAT(0.1234, 'P', 'en-US') AS アメリカ;
-- 結果: 12.34 % | 12.34 %
-- 数値表示のカルチャ違い
SELECT FORMAT(12345.67, 'N2', 'ja-JP') AS 日本,
FORMAT(12345.67, 'N2', 'de-DE') AS ドイツ;
-- 結果: 12,345.67 | 12.345,67
実務では、システムのユーザーが使用する言語や地域に応じて動的にカルチャ設定を切り替えることで、ユーザビリティの高いアプリケーションを構築できます。データベース側で適切にフォーマットすることで、アプリケーション層での処理負荷を軽減することも可能です。
FORMAT関数の実践的な使用例

FORMAT関数の基本的な構文や使い方を理解したら、次は実際のデータベース操作における具体的な活用方法を見ていきましょう。ここでは、日常的なSQL業務でよく使われるシーンに焦点を当て、シンプルな例から複雑なクエリまで段階的に紹介します。実践的な使用例を通じて、FORMAT関数がどのようにデータの可読性を向上させ、業務効率を高めるかを体感できるでしょう。
シンプルなFORMAT関数の使用例
まずは基本的なFORMAT関数の使い方から始めましょう。単一のテーブルから特定の列を取得し、その値をフォーマットするシンプルなケースです。例えば、商品テーブルから価格データを取得して、通貨形式で表示する場合を考えてみます。
-- SQL Serverでの例
SELECT
ProductName,
FORMAT(Price, 'C', 'ja-JP') AS FormattedPrice
FROM
Products;
このクエリでは、Productsテーブルから商品名と価格を取得し、価格を日本円の通貨形式(¥記号付き)で表示します。FORMAT関数を使用することで、数値データをユーザーフレンドリーな形式に変換でき、レポートや画面表示に適したデータを直接SQLから取得できます。
日付データのフォーマットも同様にシンプルです。従業員テーブルから入社日を取得し、読みやすい形式で表示する例を見てみましょう。
-- SQL Serverでの例
SELECT
EmployeeName,
FORMAT(HireDate, 'yyyy年MM月dd日') AS FormattedHireDate
FROM
Employees;
この例では、HireDate列の日付データを「2024年01月15日」のような日本語の年月日形式で表示します。アプリケーション側でフォーマット処理を行う必要がなく、データベース層で直接整形されたデータを取得できるため、開発効率が向上します。
SQL文での条件抽出との組み合わせ
FORMAT関数は、WHERE句やHAVING句といった条件抽出と組み合わせることで、より実践的な活用が可能になります。ただし、WHERE句でFORMAT関数を使用する際は、パフォーマンスへの影響に注意が必要です。フォーマット後の文字列で条件判定を行うよりも、元のデータ型で条件判定を行い、結果の表示時にFORMAT関数を適用する方が効率的です。
-- 売上データから特定期間の高額取引を抽出
SELECT
OrderID,
CustomerName,
FORMAT(OrderDate, 'yyyy/MM/dd') AS OrderDate,
FORMAT(OrderAmount, 'N0') AS FormattedAmount
FROM
Orders
WHERE
OrderDate BETWEEN '2024-01-01' AND '2024-12-31'
AND OrderAmount >= 100000
ORDER BY
OrderAmount DESC;
この例では、2024年の注文データから10万円以上の高額取引を抽出し、日付と金額をフォーマットして表示しています。WHERE句では元のデータ型(日付型、数値型)で条件判定を行い、SELECT句でFORMAT関数を適用することで、インデックスを活用した高速な検索とデータの見やすい表示を両立させています。
CASE式と組み合わせることで、条件によって異なるフォーマットを適用することもできます。
-- 金額の大きさに応じて異なる表示形式を適用
SELECT
ProductID,
ProductName,
CASE
WHEN Price >= 1000000 THEN FORMAT(Price, 'C0', 'ja-JP') + ' (高額商品)'
WHEN Price >= 10000 THEN FORMAT(Price, 'C0', 'ja-JP')
ELSE FORMAT(Price, 'C', 'ja-JP')
END AS DisplayPrice
FROM
Products;
この例では、価格帯によって表示形式を変更し、100万円以上の商品には「(高額商品)」というラベルを追加しています。このように条件分岐とFORMAT関数を組み合わせることで、柔軟なデータ表示が実現できます。
GROUP BY句と組み合わせた集計処理
FORMAT関数は集計処理との相性も良く、GROUP BY句と組み合わせることで、集計結果を見やすい形式で出力できます。月次レポートや年次集計など、ビジネスレポートの作成において特に有用です。
-- 月別売上集計とフォーマット
SELECT
FORMAT(OrderDate, 'yyyy年MM月') AS SalesMonth,
COUNT(*) AS OrderCount,
FORMAT(SUM(OrderAmount), 'N0') AS TotalSales,
FORMAT(AVG(OrderAmount), 'N2') AS AverageSales
FROM
Orders
WHERE
OrderDate >= '2024-01-01'
GROUP BY
FORMAT(OrderDate, 'yyyy年MM月')
ORDER BY
SalesMonth;
この例では、注文データを月ごとに集計し、各月の注文件数、合計売上、平均売上をフォーマットして表示しています。集計関数(SUM、AVG)の結果にFORMAT関数を適用することで、大きな数値も桁区切りされて読みやすくなります。ただし、GROUP BY句でFORMAT関数を使用すると文字列でのグループ化になるため、日付の順序を保証するためにORDER BY句で明示的に並び替えを指定しています。
カテゴリ別の集計にFORMAT関数を適用する例も見てみましょう。
-- カテゴリ別売上集計
SELECT
CategoryName,
COUNT(DISTINCT ProductID) AS ProductCount,
FORMAT(SUM(Sales), 'C0', 'ja-JP') AS TotalRevenue,
FORMAT(MAX(Sales), 'C0', 'ja-JP') AS MaxSales,
FORMAT(MIN(Sales), 'C0', 'ja-JP') AS MinSales
FROM
ProductSales
GROUP BY
CategoryName
HAVING
SUM(Sales) >= 1000000
ORDER BY
SUM(Sales) DESC;
この例では、カテゴリごとの商品数、合計売上、最高売上、最低売上を集計し、100万円以上の売上があるカテゴリのみを表示しています。HAVING句では元の数値型で条件判定を行い、表示時にFORMAT関数で通貨形式に変換することで、効率的なクエリ実行と見やすい結果表示を実現しています。
複数のテーブルを結合した集計処理でも、FORMAT関数は活躍します。
-- 顧客別年間購入実績
SELECT
c.CustomerID,
c.CustomerName,
FORMAT(o.OrderDate, 'yyyy') AS Year,
COUNT(o.OrderID) AS PurchaseCount,
FORMAT(SUM(o.OrderAmount), '#,##0') AS TotalPurchase
FROM
Customers c
INNER JOIN Orders o ON c.CustomerID = o.CustomerID
GROUP BY
c.CustomerID,
c.CustomerName,
FORMAT(o.OrderDate, 'yyyy')
HAVING
COUNT(o.OrderID) >= 5
ORDER BY
Year, TotalPurchase DESC;
この例では、顧客テーブルと注文テーブルを結合し、年間5回以上購入した顧客の購入実績を年ごとに集計しています。FORMAT関数により、年の抽出と金額のフォーマットを同時に処理でき、複雑な集計処理でもコードの可読性を保つことができます。このように、GROUP BY句とFORMAT関数を組み合わせることで、データベースから直接レポート用のデータを取得でき、アプリケーション層での追加処理を最小限に抑えられます。
FORMAT関数使用時の注意点とベストプラクティス

FORMAT関数は非常に便利な機能ですが、使い方を誤るとパフォーマンスの低下やデータの不整合を招くことがあります。ここでは、実務でFORMAT関数を活用する際に押さえておくべき注意点と、効率的な運用のためのベストプラクティスを解説します。
パフォーマンスへの影響を理解する
FORMAT関数は内部的に複雑な文字列変換処理を行うため、大量のデータに対して使用すると処理速度が著しく低下する可能性があります。特にSQL ServerのFORMAT関数は、他の変換関数と比較してパフォーマンスが劣る傾向にあることが知られています。
例えば、数百万行のテーブルに対してFORMAT関数を適用すると、CONVERT関数やCAST関数を使用した場合と比べて数倍から数十倍の処理時間がかかることがあります。そのため、大量データを扱うバッチ処理や頻繁に実行されるクエリでは、FORMAT関数の使用を慎重に検討する必要があります。
WHERE句での使用を避ける
FORMAT関数をWHERE句で使用すると、インデックスが効かなくなり、全表スキャンが発生する原因となります。これは、FORMAT関数が列の値を変換してしまうため、データベースエンジンがインデックスを利用できなくなるためです。
-- 非推奨:WHERE句でFORMAT関数を使用
SELECT * FROM Orders
WHERE FORMAT(OrderDate, 'yyyy-MM') = '2024-01';
-- 推奨:範囲検索を使用
SELECT * FROM Orders
WHERE OrderDate >= '2024-01-01' AND OrderDate '2024-02-01';データの絞り込みは元のデータ型のまま行い、フォーマット変換はSELECT句で必要な表示用データにのみ適用するというのがベストプラクティスです。
データ型変換の明示的な処理
FORMAT関数は戻り値が文字列型(NVARCHAR)となるため、後続の処理で数値計算や日付計算を行う場合は注意が必要です。一度フォーマットされたデータを再度元のデータ型に戻すには、追加の変換処理が必要になり、処理の複雑化とパフォーマンス低下を招きます。
計算処理が必要なデータには、FORMAT関数を適用する前に計算を完了させておくことが重要です。表示用のフォーマットは、データ処理の最終段階で適用するように設計しましょう。
NULLの取り扱いに注意する
FORMAT関数に NULL値が渡された場合、結果もNULLとなります。この動作を理解していないと、予期しない結果やエラーにつながることがあります。NULL値を含む可能性のあるデータに対しては、COALESCE関数やISNULL関数と組み合わせて使用することをおすすめします。
-- NULL値に対する安全な処理
SELECT
COALESCE(FORMAT(SalesAmount, 'N2'), '未入力') AS FormattedAmount
FROM Sales;カルチャ設定の明示的な指定
FORMAT関数は、カルチャ(ロケール)設定によって出力結果が変わります。サーバーのデフォルト設定に依存すると、環境が変わった際に意図しない表示になる可能性があります。特に多国籍で使用されるシステムでは、カルチャを明示的に指定することで、一貫した表示を保証できます。
-- カルチャを明示的に指定
SELECT FORMAT(OrderDate, 'D', 'ja-JP') AS JapaneseDate,
FORMAT(OrderDate, 'D', 'en-US') AS EnglishDate
FROM Orders;アプリケーション層でのフォーマット処理も検討する
データの表示形式の変更は、必ずしもデータベース側で行う必要はありません。Webアプリケーションやレポートツールなど、アプリケーション層でフォーマット処理を行うことも選択肢の一つです。
特に以下のような場合は、アプリケーション側での処理を検討すると良いでしょう:
- ユーザーごとに異なる表示形式が必要な場合
- 頻繁にフォーマット仕様が変更される場合
- 大量データを扱い、データベースの負荷を軽減したい場合
- 複雑なフォーマットロジックが必要な場合
データベースは純粋なデータ管理に専念させ、表示ロジックはアプリケーション層で処理するという設計思想は、システムの保守性と拡張性を高めます。
テストとドキュメント化の重要性
FORMAT関数を使用したクエリは、データベースのバージョンや設定によって動作が異なる場合があります。本番環境に導入する前に、十分なテストを実施することが重要です。特に、以下の点について確認しておきましょう:
- 異なるデータ型に対する動作確認
- 境界値やNULL値の処理確認
- パフォーマンステストの実施
- カルチャ設定の違いによる表示確認
また、使用したフォーマット指定文字列の意味や意図をコメントやドキュメントに残しておくことで、後任の開発者が理解しやすくなり、保守性が向上します。
代替関数との使い分け
SQL ServerにはFORMAT関数以外にも、CONVERT関数、CAST関数、STR関数など、データ変換のための様々な関数が用意されています。用途に応じて適切な関数を選択することで、より効率的なクエリを作成できます。
| 関数名 | 特徴 | 推奨される用途 |
|---|---|---|
| FORMAT | 柔軟な書式指定が可能だが処理が重い | 複雑なフォーマットが必要な場合 |
| CONVERT | 高速だがフォーマットの選択肢が限定的 | 標準的な日付・時刻変換 |
| CAST | 最も高速で標準SQL準拠 | シンプルなデータ型変換 |
| STR | 数値専用で高速 | 数値の文字列変換 |
パフォーマンスが重要な場面では、まずCONVERT関数やCAST関数で要件を満たせないか検討し、複雑なフォーマットが必要な場合にのみFORMAT関数を使用するというアプローチが効果的です。
まとめ:FORMAT関数を使いこなしてデータを自在に整形する

FORMAT関数は、SQLにおけるデータ整形の強力なツールです。この記事では、主要なデータベースシステムにおけるFORMAT関数の活用方法について詳しく解説してきました。最後に、FORMAT関数を効果的に使いこなすためのポイントを整理しておきましょう。
FORMAT関数を活用することで、数値・日付・文字列など様々なデータ型を、ユーザーが求める形式に柔軟に変換できます。データベースから取得したデータをそのまま表示するのではなく、適切にフォーマットすることで、レポートやアプリケーション画面での可読性が大幅に向上します。
実務において特に重要なのは、データベースシステムごとの違いを理解することです。SQL ServerとMySQL、PostgreSQL、Oracleでは、FORMAT関数の構文や機能が異なります。システム移行やマルチデータベース環境での開発では、これらの差異を把握した上で適切な関数を選択する必要があります。
FORMAT関数の主な活用シーンとしては、以下のようなケースが挙げられます:
- 数値データに桁区切り記号を追加して、金額や大きな数値を見やすく表示する
- 日付・時刻データを業務要件やユーザーの地域設定に合わせた形式で出力する
- 文字列データに統一されたフォーマットを適用して、データの一貫性を保つ
- カルチャ設定を活用して、国際化対応のアプリケーションでローカライズされた表示を実現する
- 集計処理やレポート出力において、見やすく理解しやすいデータ表現を提供する
一方で、FORMAT関数の使用にはパフォーマンスへの影響という側面も存在します。大量のデータを処理する際には、フォーマット処理がボトルネックになる可能性があるため、実行計画の確認や処理の最適化が必要です。可能であれば、アプリケーション側でフォーマット処理を行うことも検討すべきでしょう。
また、FORMAT関数を効果的に使いこなすためには、書式指定文字列の理解が不可欠です。標準的な書式指定子だけでなく、カスタム書式指定文字列を活用することで、より細かい制御が可能になります。実際の業務要件に応じて、適切な書式を選択・組み合わせることで、データの表現力を最大限に引き出せます。
SQL FORMAT関数は、単なるデータ整形ツールにとどまらず、データベースからの出力品質を向上させる重要な機能です。基本的な使い方から応用的なテクニックまでを習得し、実務において適切に活用することで、より価値の高いデータ処理とレポーティングが実現できるでしょう。データベースシステムごとの特性を理解し、パフォーマンスとのバランスを考慮しながら、FORMAT関数を効果的に使いこなしていきましょう。

